-FUDGE featured BLOG-


-第三十三回-

 

*Turkey_『My Selection...#C』*


 

聞いた事も見たことも無い、ガイドブックにも乗っていない、

 

なんかよく分からない、謎、不気味な、不可思議な、

 

海外に出て、旅行者はそんなお菓子を食べるのだろうか

 

歪んだ表情で見るか、もしくは目にも留まらないかもしれない

 

はたまた、彼と撮った写真の背景の一部をこっそりと彩っている事だろう

 

今回はそんなトルコの中でも特にマニアックなお菓子をお届け

 

第三弾

 

『もうすぐ魔法が切れちゃう...トル子、行かなきゃッ。トルコ菓子ヲタク編』

 

どうぞ

 

 

トップの写真とこの小さなクッキーはトルコ中部"Çorum"(チョルム)のお菓子

 

どちらもシンプルで品がある

 

チョルムはレブレビと呼ばれる炒ったヒヨコマメで有名な町で

 

写真はレブレビの粉のみで作られたクッキー

 

炒られているので繋がりが弱く、口の中ですぐさまほどけてレブレビの香りが口いっぱいに広がります

 

トルコ内ではどこでもレブレビが売られているけど

 

チョルムのものは特に香りが強く、口当たりもソフトで秀逸

 

 

こちらもチョルムのお菓子

 

ローズのバクラヴァという意味の"Gül Baklavası"(ギュル バクラヴァ)

 

元はと言えばこのお菓子を食べる為にこの町に来たんだった

 

バラの香るバクラヴァ、それは食べておかないといけないでしょ

 

そしてそこで出会ったのはバラの香らないバラ型のお菓子

 

中にクルミが入っています、バラ水は入っていません

 

 

マルメロの甘甘煮"Ayva Tatlısı"(アイヴァ タトルス)

 

私のトルコで食べたお菓子の中で一番甘かったお菓子

 

もちろんマルメロの味も食感もしますが、甘い

 

マルメロという子猫キャラからのドS級の甘さ

 

ドSにムチを持たせるように乗っかっている白いクリームは超濃厚カイマック

 

煮詰めたミルクの上澄みを集めた こってりクリームです

 

私は信じられませんでした

 

このコクが甘さをこんなにも和らげるなんて

 

こんなにもムチが気持ち良いなんて

 

 

このブログはオシャレな乙女達しか見ないんだから

 

ドSとかムチとか、反省だよ。(自省)

 

さて、こちらは中にピスタチオの詰まった"Kerebiç"(ケレビチ)

 

トルコ南部"Mersin"(メルスィン)の郷土菓子

 

写真右はナツメのペースト入り

 

ほろほろ繊細な生地で包まれています

 

注目すべきは奥のクリーム

 

 

クリームの正体は"Köpük Helva"(キョピュク ヘルヴァ)

 

"çöven"(チョベン)というカスミソウの仲間の根っこをクエン酸と砂糖で煮たもの

 

それを火を加えながら練ること小一時間...キョピュク ヘルヴァのできあがり

 

ミルクは一切使ってません

 

 

こちらも甘甘+カイマック

 

甘く煮たドライイチジクにカイマックがこれでもかと乗っています

 

イチジクの中にはクルミが詰まっています

 

"Izmir"(イズミル)のお菓子"Incir Tatlisi"(インジル タトルス)

 

 

トル子の作るクレープはシロップに浸っている

 

クルミを詰めて巻くところまでは普通のクレープなのだが

 

そこから羊のバターを塗り始め

 

シロップをぶっかけた

 

これがトル子特製"Şıllık"(シュッルク)

 

"ŞanlıUrfa"(シャンルウルファ)でバイトのトル子がせっせと作ってます


 

こちらはトル子特製カキ氷"Bici Bici"(ビジビジ)

 

トルコ南東でバイトのトル子がせっせと作ってます

 

レモンとローズ味


 

ビジビジの中に隠されているのはローズの染みたでんぷんゼリー

 

一緒に食べたアメリカ人はこのキューブに顔を歪めてた

 

確かにこのキューブに味気はなかったけど、普通に食べれたのは日本の文化に近かったせいだろう

 

 

バクラヴァとミルクプディングの融合"laz böreği"(ラズ ビョレィ)

 

私は出来立てしか食べなかったので、その後どう変化するかは分からないが

 

きっと生地に水分がまわることだろう

 

サクサクでほかほか、ミルキーなバクラヴァはトルコ北東の黒海沿岸の町で


 

こちらも黒海沿岸で食べられるお菓子"Pepeçura"(ペペチュラ)

 

コーンスターチをブドウジュースと共に炊いたもの

 

牛乳を注いで食べるのが伝統のスタイル

 

お隣の国ジョージアにも同じようなお菓子があります

 

そちらは"ფელამუში"(ペラムシ)と呼ばれクルミをかけて食べます

 

不思議なお菓子ですな

 

 

こちらはトルコの家庭菓子のひとつ"Hasıda"(ハスダ)

 

でんぷんをじっくり炒め、濃縮ブドウジュース"Pekmez"(ペクメス)で更に炊き上げる

 

砂糖は使わずブドウジュースの甘味のみで作ります

 

主婦トル子の腕の見せどころね

 

 

おじさんの笑顔がもはやスイーツ

 

"Diyarbakır"(ディヤルバクル)の"Met Helva"(メト ヘルヴァ)

 

繊維状のパリパリヘルヴァが口の中でパリポリします(説明が雑過ぎ)

 

お口の中がシルクロードです

 

プレーン、アーモンド、クルミ、ピスタチオ味があります

 

 

こちらは"Höşmerim"(ホシュメリム)"

 

チーズ、セモリナ粉をミルクで甘く炊いたもの

 

この店には15種類以上の味があり

 

その中でもローズのホシュメリムが特に美味

 

ヴァレンタイン限定と言っていたがトルコでもそんな商品作るんですね

 

軽いショック

 

 トルコ北西"Balıkesir"(バルケシル)のお菓子です

 

 

こちらは歴史のあるお菓子"Mesir macun"(メスィル マジュン)

 

この歴史を要約すると...

 

偉い人の母親が病気になって、モスクの偉い人がこのお菓子を作って病気を治したという話

 

というのもこのお菓子には41種類のスパイスが含まれており

 

食べるとそれはもう元気いっぱいになります

 

ちなみにこのお菓子の発祥の"Manisa"(マニサ)という町では

 

偉い人の母親の復活を祝って毎年春にモスクの上からメスィル マジュンをばら撒くという祭りを開催しています

 

 

最後はオシャレ女子必見、トルコの現代アート菓子でお別れです

 

ドライフルーツや煮詰めたフルーツの塊をナイフで削ります

 

後ろのおじさんはお祈り中です

 

この三回でトルコ菓子をまとめましたがいかがでしたでしょうか

 

...はい、マニアック過ぎですね

 

オシャレ女子のあなたには衝撃が強過ぎたかもしれません

 

もっとクレープとかティラミスとかナタデココとかが好きなんだよね

 

クレムブリュレをスプーンでパリッとする画がほしいんだよね

 

私の妄想乙女の情報が古すぎますね

 

今時の乙女にアップデートしておきます

 

さてさて、怒涛のトルコ菓子特集もこれでお開きです

 

トルコ菓子の世界にお付き合いありがとうございました