10 days in Myanmar


第二綴

朝シャワーを浴びると、水しか出なかった。左へ回しても右へ回しても、一向にお湯は出てこない。冷たいシャワーに震えながらここはミャンマーなのだと思い知らされた。そんな初日の朝だったが、この宿に来て本当に良かったことがあった。オーナーが日本語の話せるミャンマー人だったのだ。以前長く日本に住んでいたそうで、日本人の方と経営しているとのこと。ここぞとばかりに午前中はヤンゴン市内のお店や、地方のお菓子の情報を教えてもらった。その時のノートの取り方が異様だった。実は昨晩から少し気になっていたのだけれど、ミャンマー人はみんなノートを縦に置き、下から上に横文字を書くのだ。それはミャンマー語も英語もオーナーは日本語まで同様に不思議な書き方をしていた。話によるとミャンマーでは学校が狭く、ノートを横に広げることもできなかったので、ノートを縦向きにして書いていたそうで、今でもその方が書きやすいと言っていた。

 

さて、ヤンゴン市内は雨季にも関わらず、晴れていた。ぶらぶら散策すると、パーン(噛みタバコ)を吐き捨てた赤い痕跡があった。町中に溢れる爽やかで臭いにおいはインドを思い出した。

そんな住宅の中を歩いていると路上でぽつりとお母さんがお菓子を並べて座っていた。路上の名店だ。ここでもち米のミャンマー菓子をいくつか頂いた。お母さんが一つ一つ丁寧にハサミでカットしてくれ、ビニール袋の中で仕上げのココナッツ、砂糖、ゴマなどを振りかけてくれる。美味しい、美味しいのだけれど、あの強烈な香りのお札を触ったその手でお餅をペタペタ触るのが横で気になって仕方なかった。たぶん一般の観光客ならこの袋を包んで近くのお洒落カフェへ逃げ込み、何もなかったかのようにインスタグラムへ投稿しているだろう。しかし、ここでお札ハンドやハエなど気にせず、アヤーンカウンデー(とっても美味しいよ)と言えることでグッとお母さんとの距離が縮まるのだ。そうすると、これも食いな、これは〇〇っていうんだよ、とまた素手でお菓子をカットしてくれるのだ。アヤーンカウンデー!

 

夕方は京都の紅茶専門店メランジェさんから情報を頂いたRANGOON Tea Houseへ。先ほどのお母さんとは打って変わって、清潔感に溢れたお店だった。お水だってゴクゴクいける、たぶん。ここではセイロンティーとそれに合わせたオススメのココナッツとパイナップルのケーキ、ファルーダという南インドでも食べたことのあるパフェのようなお菓子を頂いた。#カワイイと付けずにはいられない盛られっぷりだった。お洒落カフェにさえインド菓子があるように、この街はインド・中国・東南アジアをミックスさせた食文化がある。インドやトルコを歩けば殆どのレストランが自国の料理を占めているのを思うと、ミャンマーは色んな文化を取り入れてきている、日本とも通ずるところを感じた。他国の良いところを吸収して、これから急成長していくのだろう。人々から活気をいたるところから感じる。

 

夜は在住の日本人お二方とディナーへ。ミャンマー北東のシャン料理を食べに行った。ヤンゴン一等地のビルの中にある上品なお店で、味も上品だった。料理はさておき(どれも美味しかったです)、最後に食べたデザート4種の内、中でもトウモロコシと餅を練り合わせたものがとても美味しかった。意外と和菓子でトウモロコシと餅の組み合わせは聞いたことが無かったけれど、これはイケる。あと紅茶とバナナ、餅を練り合わせたものも面白かったです。今後のボキャブラリーに入れようシメシメと味わった。

このご縁も先日インタビューしていただいた朝日中高生新聞の記者の方のご紹介。在住の方のミャンマーローカル情報や文化を聞けて良い夜になりました。

そろそろ地方への計画を立てていきます。


出国まで

あと199時間